動画で見る世界の人権 「アムネスティ・レポート」

鎌倉グループ、次回の例会
12月はお休み。 1月24日(日)16:00〜
  ヘザーさん宅(腰越)にて新年会 


神奈川県
  人権メッセージ展

 テーマ:「世界の難民は今」
 日時:12月6日(日) 10:00〜17:00 
 会場:JR横浜駅東口 そごう前地下コンコース


朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)

 「最新衛星画像が語る収容所の抑圧」 報告書



朝鮮民主主義人民共和国 拡大する強制収容所の真実

 金正恩第一書記宛、強制収容所閉鎖のハガキを送ろう



 

 北朝鮮:国連第3委員会 北朝鮮人権決議を採択

 中国:改革は虚言 続く活動家への弾圧

 北朝鮮:国連決議が国家犯罪を終わらせるー

 ウクライナ:全欧安保協力機構の監視団派遣を

 日本:「特定秘密保護法」根本的見直しを

 北朝鮮::最新衛星画像による収容所

 サウジアラビア:女性に運転の権利を

 日本:原発アクション 安倍首相への手紙

 AI:アムネスティ・レポート2013

 国連:武器条約を採択ー中心に人権をー


 

アムネスティ・インターナショナルとは

アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International=AI)は、世界中の
全ての人が、「世界人権宣言」や国際人権規約に書かれているすべての人権を
享受できる世界を目指して、人権侵害を防ぐために、また人権侵害を終わらせる
ために世界中で活動している国際NGOです。

1977年、その活動に対してノーベル平和賞を団体として受賞しました。

世界の150以上の国と地域に少なくとも300万人のアムネスティ・インターナショナル
の会員やサポーターがいます。また80の国や地域にアムネスティの支部があります。

各支部には一緒に活動を作って行くために会員が集まってつくったグループがあります。
アムネスティ日本支部には現在71のアムネスティ・グループがあり、アムネスティ鎌倉
グループ
はその中のひとつです。

 アムネスティ・インターナショナルの特徴


  • 国籍や地域・言語・宗教・年齢を問わず、一定の会費を払えばだれでも
    アムネスティ・インターナショナルの会員になれます。
     詳しくはQ&Aをご覧ください。 Q&Aへ
  • 会員になると、ひとりでも活動できますが、テーマ別チームに入ったり、 全国各地にある地域グループに入って活動することができます。
  • 人権侵害を止めるために、アムネスティ・インターナショナルが独自に 調査した報告に基づいて、人権侵害をしている国や組織にそれを止めるように 手紙を書いたり、署名活動や講演会をしたり、刑務所や難民収容所を訪問し、 ときには関係大使館の訪問をすることもあります。
  • これらの活動を通して、「良心の囚人」の釈放、収容所の状況の改善、 人権条約の批准など、多くの人権状況がこれまでに改善されています。
  • アムネスティ・インターナショナルの活動は常に中立であり、それを守るために、 いかなる政府からも財政支援を受けていません。
  • 活動は会員からの会費とサポーターからの寄付で行われています。



アムネスティ鎌倉グループとは








アムネスティ発表 国際ニュース 2014年11月20日

北朝鮮:国連第3委員会 北朝鮮人権決議を採択


国連決議は北朝鮮当局に対して、人道に
対する罪を犯した者は法で裁かれるとい
う明確なメッセージを送った。

国連総会第3委員会は11月18日、北朝鮮で
長年行われている人道に対する罪など組
織的かつ広範囲で深刻な人権侵害を強く
非難する決議案を採択した。

決議は、人道に対する罪を犯した者は公
正な裁きを受けなければならないと、北
朝鮮に明確なメッセージを送っている。
国際社会は、世界最悪とされる人権侵害
の被害者とともにあるということを示す画期的な決議だ。

北朝鮮は、組織的な人権侵害をやめ、外部から人権監視団を受け入れて、
国連組織との間で新たな関係を構築していく必要がある。

国連の北朝鮮人権調査委員会は今年2月、400ページにもわたる報告書を
発表した。その中で、北朝鮮当局による人権侵害はその規模と根の深さ
で「世界で類をみない」と断じた。

また、調査委員会は、女性や子どもを含む8〜12万人が政治囚強制収容所
に拘禁され、強制労働、飢餓、裁判なしの処刑、拷問、強かん、強制堕胎
などにさらされていると報告している。さらに、北朝鮮は1950年以降、国
家政策として世界から日本人を含む外国人20万以上を拉致し、本国への送
還を拒否してきたとしている。

決議は、世界各地域の111カ国が賛成、19カ国が反対、55カ国が棄権し、
圧倒的多数で採択された。

投票に先んじて、キューバが決議内容を骨抜きにする修正案を提出したが、
77カ国が反対、40カ国が賛成、50カ国が棄権して、否決された。修正案に
は、調査委員会の指摘を認めることや国連安保理に対して国際刑事裁判所>
(ICC)への付託などで説明責任を果たさせるよう求めるなどの主要な勧告
が盛り込まれていなかった。

本会議での採決は12月に行われる予定である。


アムネスティ発表 国際ニュース 2014年5月29日

中国:改革は虚言 続く活動家への弾圧


天安門事件から25年目の6月4日を目前に控え、多数
の活動家らが弾圧を受けている。習近平国家主席の
改革開放の呼びかけは、口先だけだった。

天安門事件の犠牲者は千人単位には及ばぬかもしれ
ぬが、少なくとも数百人とみられる。彼らを追悼す
る集まりなどに参加した活動家たち数十名が、この
数週間の間に拘束、自宅軟禁、取調べなどの対象と
なった。

天安門事件から25年となる今年は、習主席が唱える
開放政策が本物か否かを計る重要な試金石となる。
政府は、これまでのところ開放ではなく弾圧の道を
選んできた。

6月4日の事件をあくまでなかったものにしたい当局は、例年以上に弾圧色を強め
てきた。

最近拘束された人物には、人権派弁護士の浦志強(Pu Zhiqiang)さんやジャーナ
リストの高瑜(Gao Yu)さんもいる。 また、犠牲者遺族のグループ「天安門の母
たち」の代表、丁子霖(Ding Zilin)さんは、自宅軟禁下に置かれている。

天安門事件の犠牲者の遺族は、これまで正義を求めて多大な犠牲を払ってきた。
「天安門の母たち」の多くは高齢化し、グループ草創メンバーの多くが他界し
た。みな、犠牲者の両親である。

国の指導者は、犠牲者の意思を踏みにじる行為と決別し、彼らに正当な補償をす
るべきである。 補償を求める闘いに疲弊しきった遺族は、事件の全真相に対す
る国の正直な説明も切望している。 習主席が方針を改める上で遅きに失することはない。独立した機関が天安門事件
を調査し、その結果を全面的に開示することを求める。

■拡大する弾圧

今年は、改革を求める市民活動に対する弾圧がより広く行われている。特に人権
活動家の呼びかけで始まった「新公民運動」に関わる弾圧である。 同運動の指
導的活動家数名が長期の禁錮刑を宣告され、服役している。彼らは、1989年の民
主化運動の要求に共鳴して、情報開示や腐敗の防止を要求していた。

アムネスティは、政府に対して改めて以下の点を求める。

-1989年の天安門事件での人権侵害を公式に認めること。
-独立した調査を行い、その結果を開示し、人権侵害の加害者を裁くこと。
- 天安門事件の犠牲者とその家族に正当な補償をすること。
-事件を思い起こしたり事件について発言したりする人びと、および言論や集会
の自由の権利を行使する人びとへの嫌がらせや弾圧を止めること。



アムネスティ発表 国際ニュース 2014年4月1日

北朝鮮: 国連決議が人道の罪を終わらせる第一歩


今回の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への国連
決議は、同国に対して、人道に対する罪を犯した者
は公正な裁きを受けなければならないと、明確なメ
ッセージを送った。

国連人権理事会は3月28日、北朝鮮で長年行われて
いる人道に対する罪など組織的かつ広範囲な人権
侵害を強く非難する決議案を採択した。決議は、
日本を含む外国人の拉致や政治囚収容所における
人権問題を含め、世界最悪とされる人権侵害の解
決に向けた国際社会の決意を表すものとなった。

これは強力な決議であり、北朝鮮当局に伝えられた
メッセージはこの上なく明快である。人道に対する
罪は到底容認できるものではなく、責任者は公正な裁きを受けなければならない。

これは強力な決議であり、北朝鮮当局に伝えられたメッセージはこの上なく明快 である。人道に対する罪は到底容認できるものではなく、責任者は公正な裁きを 受けなければならない。 国際社会はこの勢いに乗り、想像を絶する犯罪に終止符を打つよう、北朝鮮によ
り強い圧力をかける必要がある。国連安保理は、朝鮮半島の平和と安全を検討す
る上で、人権問題を中心に据えるべきである。

この決議は圧倒的多数で可決された。しかし中国など6カ国が反対票を投じ、11
カ国が棄権した。残念ながら、未だに数カ国がこの上なく恐ろしい犯罪を見て見
ぬ振りをしている。

こうした国々、特に中国は、国際的な取り組みを妨害するのではなく、その影響
力を行使し、北朝鮮の人びとが受けてきた自国政府による耐えがたい苦痛が終わ
るよう力を尽くすべきである。

決議案の採択は、2月17日に国連の調査委員会(COI)が発表した北朝鮮の人権状
況に関する最終報告書を受けて行われた。報告は、背筋が凍るような人道に対す
る罪が過去も今も行われていることを明らかにし、その人権侵害の規模と程度は
現代において前代未聞である、と述べている。

■背景情報

北朝鮮では、子どもを含む何十万もの人びとが政治囚収容所などの拘禁施設に収
容されている。多くの人は何ら罪を犯しておらず、政治囚の家族というだけで、
「連座制」という集団的処罰により収容されている。

1990年以降、推定でほぼ百万人の北朝鮮の人が餓死している。同国の飢饉と食糧
危機の実態は、政治的統制のために確認することができない。北朝鮮の人も国際
人権機関の職員も移動が制限され、表現の自由、情報の自由、平和的な集会と結
社の自由に対する権利はほとんど認められていない。

また1950年以降、北朝鮮は国家政策として大規模かつ組織的に他国の人びとを拉
致し、本国へ 返すことを拒否し続けている。COIは、日本から少なくとも100人
が、世界から計20万以上の人びとが、拉致されていると報告している。



アムネスティ発表国際ニュース 2014年3月13日

ウクライナ:
    人権危機回避に全欧安保協力機構の監視団派遣を


ウクライナ対ロシアの膠着状態がクリミア半島で続
き、ウクライナ東部でも、緊張がいっこうに衰えない。
全欧安保協力機構(OSCE)が人権に関わる強い役割と
権限を持った監視団を緊急に組織し、クリミアをはじ
めウクライナ全土に派遣することが必要だ。

ここ数日、クリミアでは、人権監視員、第三者視察団、
ジャーナリスト、親ウクライナ活動家などへの脅迫や
威嚇が激化している。

3月6日、OSCE議長国スイスの特使や少数民族高等弁務
官などのOSCE代表が、治安上の懸念からクリミア訪問の
中断を余儀なくされた。また3月6日と7日の両日、 OSCE査察団が、所属不明の
武装要員によりクリミアへの立ち入りを阻止された。

クリミアの多くのジャーナリストや人権活動家の話では、現地取材や人権侵害の
報道に対して、武装要員ら攻撃的な集団や軍の兵士の横やりが入ったという。た
とえば、3月5日、反旧政権団体の人権監視員の一団が、ナンバープレートも陣営
を示す所属表示もない20台ほどの軍用車列の後を追っていた。すると車列の兵士
に車を止とめられ、銃を突きつけられて外に出され、「来るな。帰れ」と命じら
れた。部隊は、所属も、クリミアで何をしているかも、説明を拒んだ。活動家ら
が、「どこに行こうと自由だ」と命令を拒むと、兵士たちは活動家の車のタイヤ
をパンクさせて立ち去った。

双方の主張が対立し緊張が増す状況で、国際的な人権監視団と第三者による事実
調査が、クリミアのみならず緊張が続く他の地域でも緊急に必要である。OSCE加
盟国の多くが派遣を提案しているが、ロシアと、クリミアの事実上の新政権がこ
れに反対しているという。

クリミアの事実上の政権と当地に駐留するロシア軍には、以下の点を要請する。

・クリミアにおける新政権やロシア軍の駐留に反対する人びとが、意思を平和的
に発表できるように、表現・集会の自由の権利を尊重し、保護する

・なんびとも民族的出自や政治的見解のために差別をうけることがないようにする
・ジャーナリスト、人権活動家、国際査察団などが第三者の攻撃から守られ、妨
害や威嚇なしにその任務を遂行できるように計らう

・第三者査察団や国際人権監視員などが、クリミアおよびクリミア内のいかなる
自治体や団体にも制限なく自由に出入り・接触ができるように計らい、彼らの安
全を保証する

・実効的管理下にあるすべての武装部隊に対し、「警察官のための国連行動規
範」、「警察官の実力行使および火器の使用に関する国連基本原則」に定められ
た国際基準を遵守し、それによって、生命、自由、個人の安全に関わる権利を尊
重し保護するよう指導する

・なんびともクリミア内とその他のウクライナ各地域内およびその両者間を自由
に移動する権利を尊重し保護する

ウクライナ当局には、クリミア以外のウクライナ地域における国際的な人権上の
責務の遵守とともに、とりわけ以下の点を要請する。

・表現と集会の自由を保証し、新政権に反対する人びとが平和的にその意見を表
明できるように計らう

・なんびとも民族的出自や政治的見解のために差別をうけることがないようにする

・警察には、「警察官のための国連行動規範」、「警察官の実力行使および火器
の使用に関する国連基本原則」に定められた国際基準を遵守し、それによって、
生命、自由、個人の安全に関わる権利を尊重し保護するよう指導する

OSCE常設評議会は、人権に関する強い役割と権限を持った監視団を、クリミアほ
かウクライナ各地に派遣するよう速やかな決定をおこない、すべての当局は、こ
うした監視団がウクライナ全域に自由に出入りできるよう取り計らうようにすべ
きである。



アムネスティ日本声明 2014年3月11日

アムネスティ日本:東日本大震災から3年
         アムネスティ・インターナショナル日本声明 


本日、1万8千人(不明者を含む※1)を超える多くの
尊い命を奪った東日本大震災から丸3年を迎えた。

。 地震と津波によって引き起こされた福島第一原発事故
は、除染や汚染水の処理の問題、新たに発覚した高濃度
汚染水の漏えいなど、収束どころか未だに出口が見え
ない状況が続いている。

依然として多くの人びとが生まれ育った故郷を離れ、
経済的基盤を失い、避難生活を強いられている。

2011年12月、当時の野田首相は「原子炉冷温停止」に
なったとことを受け、「福島第一原発事故収束」を宣言した。また現政権の安倍
首相は、昨年9月の国際オリンピック委員会総会で、汚染水漏えい問題について
「まったく問題はない。汚染水の影響は、港湾内で完全にブロックされている」
と強調した。

しかし現実は政府の発表とはまったく違う状況が明らかになり、福島原発で働く
作業員も含め、未だに多くの人びとが放射性物質による健康被害を心配し、困難
な生活を余儀なくされている。

このような大規模な原発事故と、その後の政府の不十分で無責任な対応は、人び
との基本的人権である、「生命、自由及び身体の安全への権利(世界人権宣言第
3条)」、「すべての人間が保有する生命に対する固有の権利(自由権規約第6
条)」、「到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利(社会権規
約12条)」を脅かすものである。

政府は、人びとの生きる権利や健康に暮らす権利を守る第一義的な責務を負っ
ているが、被災された人びとの生活を守り、被害者への十分な補償を行ってきた
とは言い難い状況が続いている。

一方、情報開示という点でも、政府の対応は十分とは程遠い。地震以前の発電
所の安全性のみならず、事故後の原子炉の状況や汚染水ついても事実とは違う
情報を発表するとともに、問題が起きても情報開示を先送りし、事態を過小評
価してきた(※2)。

自由権規約第19条第2項は、「すべての者は、表現の自由についての権利を有す
る」と定めており、その表現の自由の根幹に、情報へのアクセス権(知る権利)
が位置づけられている。

政府は、すべての者が原子力施設事故に関する情報にアクセスすることを妨げ
てはならないし、市民に対し、自己決定の前提として、危険の有無を適切に判断
するために、正確で、タイムリーな情報を提供する責務がある。しかし震災直後
から今日まで、政府は的確な情報開示を行わず、政府の判断もしばしば遅れ、
住民の不安は増すばかりとなっている。

2013年5月、「健康に対する権利」特別報告者であるアナンド・グローバー氏は、
国連人権理事会に報告書を提出し、「被害に遭われた人びと、特に社会的弱者を
すべての政策決定のプロセスに十分参加させる」よう政府に勧告した。

2012年11月、同人権理事会普遍的定期審査においても、「福島の放射線警戒区域
の住民の健康と生活の権利を保護するためのすべての必要な措置を講じる」こと
が勧告されている。また、原発事故の10年前に出された2001年の社会権規約委員
会の日本政府に対する総括所見では、すでに「原子力施設の安全性に関する透明
性の確保と関係住民への適切な情報提供」が勧告されていた。

アムネスティ日本は、昨年7月、日本政府に対して、福島原発事故後の復興政策
等において、さまざまな国民の権利が保障されていないことを憂慮し、被害に遭
っている人びと、とりわけ女性や障がい者などを政策決定に参加させるとともに、
政府内に横断的な人権担当部署の設置を要請するアクション(※3)を実施した。

署名は、日本のみならず、ドイツ、オーストラリア、米国、韓国、台湾、ペルー、
ベネズエラ、ベラルーシ、ウルグアイ、南アフリカ等、世界各国から届き、日本
支部が取りまとめた署名として、1,463筆を昨年10月末に安倍総理に届けた。

原発事故による甚大な放射性物質の解決には、これからも相当な期間を要し、
健康への影響も長期的に注視していく必要がある。日本支部は日本政府に対し、
人権状況の改善のために人権担当部署の設置とともに、国際人権基準に基づき、
グローバー勧告等に真摯に向き合って応じることを求める。

注1) 2014年2月末警察庁調べ 死亡者数15,884名、行方不明者2,636名

注2) 事故直後から米国等は炉心溶融(メルトダウン)の可能性を指摘してい
たが、政府や東電はその事実を否定し、5月中旬になって事実を認め公表した。
また緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDT)による、
放射性物質の拡散予測が長い間公表されず、多くの人は正しい情報を受けること
なく避難することになった。その後の汚染水の漏えいも、しばしば公表が遅れ、
影響の過小評価を繰り返している。

注3) 「東日本大震災からの復興において、政府に横断的な人権担当部署の設置
を求めよう!」

 以下のサイトからアクションにアプローチできます。
  
https://www.amnesty.or.jp/get-involved/postcard/nps_action.html



アムネスティ日本声明 2013年12月9日

アムネスティ日本:「特定秘密保護法」
         強行採決を非難し、根本的な見直しを要請する 


特定秘密保護法案は、参院特別委員会で強行採決され、
12月6日深夜、参議院本会議において、多くの問題点を
残したまま、自民党と公明党の賛成で 可決、成立した。

最終的な修正案においても、指摘された問題点や懸念
点は、本質的に何ら解消されることはなかった。

アムネスティ・インターナショ ナル日本は、日本政府と
国会に対し、国内外からの懸念や反対の声を無視して採
決を強行したことに非難するとともに、この法律の全面
的な見直しを強 く要請する。

同法に対しては、法案提出前および審議過程で、国内外
の市民団体、弁護士、学者・研究者、新聞・ジャーナリスト、文筆家・演劇人や
音楽家、映画監 督などの表現者、労働組合、さらに人権高等弁務官を含む国連の
専門家から、数多くの深刻な懸念や反対の声があがっていた。現状のままであれば、
今 国会での法案成立は見送り、全面的に見直すべきであった。しかし、参議院で
もわずかな審議時間を費やしただけで、十分な審議のないまま与党は強引 に押し切った。

アムネスティ日本はこれまで、この法案が国際人権基準の観点から、「表現の自由」
や「知る権利(情報へのアクセス権)」などを根底から脅かすもの であるとして
深刻な懸念を表明してきた
(注1)

第一に、特定秘密の指定の範囲が極めて広範囲かつ曖昧であり、恣意的な指定がなさ
れる可能性が高 いこと。

第二に、指定期間も当初の30年から60年に後退し、内閣の裁量によって秘密が永遠
に明らかにされない可能性があること。

第三に、適性評 価制度において対象者とその家族・関係者の思想信条の調査が行わ
れる恐れがあり、評価対象者の家族や関係者に対しては同意なく調査が行われること。

第四に、一般市民やNGO・NPO、ジャーナリスト、研究者などが政府の行動を監視・
調査して情報公開を求めるといった、表現の自由の根幹を成す活動が「特定秘密」
漏えいの処罰対象となる危険があること。

第五に、もし個人が、同法案に定める特定秘密の漏えいに関する罪に問われた場合、
具体的にどのような特定秘密の漏えいに該当するのかが被告人および弁護人に開示
されないまま裁判が行われる恐れがあること。こうした多くの問題点 は、最後まで
解消されることはなかった。

「第三者機関」を要求する声に対し、安倍首相は12月4日、3つの機関の概要を
発表した。すなわち、内閣官房の中に秘密指定の適否をチェックする 「保全監視
委員会(仮称)」、統一基準を策定する「情報保全諮問会議」、そして特定秘密
が記録された公文書の廃棄の可否を判断する「独立公文書管 理監」の設置である。
しかし、いずれも、権限を持つ独立した「第三者機関」と呼ぶには程遠い。組織
の機能や法的権能もまったく不明なままで、恣意 的な秘密指定や情報隠ぺいを防
ぐ独立性はなんら担保されていない。

アムネスティ日本は、同法に対する深刻な懸念を重ねて表明するとともに、引き
続き、同法の全面的な見直しを日本政府と国会に要請する。日本政府 は、問題点
を改善するまで、同法を施行するべきではない。

情報へのアクセス権を含む表現の自由は、この社会に暮らすあらゆる人びとの人権
を実現し保護・促進するために不可欠な礎である。日本政府がこのこ とを十分に
認識し、自国が批准している自由権規約をはじめとする国際人権基準を誠実に遵守
するよう、アムネスティ日本は強く訴える。



アムネスティ発表国際ニュース     http://www.amnesty.or.jp/ 2013年12月5日

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮):
         最新の衛星画像が語る収容所の抑圧


最新の衛星画像が、朝鮮民主主義人民共和国
最大級の2カ所の政治囚収容所の最 新状況を
捉えた。これらの画像で、またしても同国の
恐るべき抑圧体制が明らか になった。

第15号と第16号の政治囚収容所を総合的に評
価した結果、複数の新しい居住棟、生産設備
の拡大、そしてひき続き厳格な治安体制が見
てとれた。

アムネスティ・インターナショナルは、新た
に入手した衛星画像と証言をもとに 最新の収
容所の状況を分析し、その報告書『朝鮮民主
主義人民共和国−拡大する 抑圧の収容所』を
まとめた。

収容所の元警備官はこれまで封印してきた実態を初めて明らかにして、「囚人た
ちが自身の墓を掘るよう強制され、女性たちは強かんされたあと姿を消してい
る」と語った。

アムネスティはこうした最新の証拠を、同国の人権侵害を調査している国連調査
委員会に伝えた。

子どもたちを含め、何十万という人びとが、政治囚収容所や他の収監施設に拘束
されている。

その多くは何の罪も犯しておらず、重い政治犯と目される人びとの家族であるに
すぎない。彼らは「連座制」により集団処罰の形で拘束されているのだ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)化成(ファソン)郡の第16号収容所は、約560平
方キロメートルと、東京の八王子市の3倍の広さを持つ。広大な政治囚収容施設
のなかでも実態がわからない地域のひとつである。2011年時点でおおよそ2万人
が収容されているとみられている。

今年5月に撮影された最新の画像では、新しい居住棟群がはっきり見え、第16号
収容所の人口が若干増加していることがわかる。画像は居住棟が建てられている
様子を捉えており、囚人たちが置かれた生活状態が多少とも推察される。

鉱山の採掘、木材の伐採、農業などの主な経済活動は衛星画像ではっきり確認で
きる。工業区域が拡大しているのも画像で明らかである。

政治囚収容所では強制労働が常態化している。元囚人や元警備官の証言によれ
ば、囚人はほとんどの時間危険な労働に従事させられ、休憩時間はほとんどない。

警備は相変わらず厳しく、周囲の防護柵や警備所は明確に特定できる。移動は制
限され、警備を固めた入場門、監視塔、所内検問所などで管理されている様子だ。

1980年代から約10年、この収容所に勤めた元警備官のリさんは、今年11月にアム
ネスティのインタビューで、囚人の処刑に用いられる方法について語った。囚人
は自分の墓を掘らされ、それから首をハンマーで何回も殴られて殺される。また
収容所の刑務官が囚人の首を絞め、その後木製の棍棒で殴り殺すのも目撃したと
いう。

リさんによれば、強かんされたあと姿を消した女性が何人もいたという。「刑務
官への一晩の『お勤め』が終わると、女性たちは口封じに殺される。これはほと
んどの政治囚収容所でおこなわれている」

1980年から10年近く同収容所にいた元囚人キム・ヨンスンさん(女性)は、逃亡
を企てて捕まった2人の囚人の公開処刑を目撃した。「ひどく殴られたあと、台
の上に引き上げられ、木の杭に縛られ、頭と胸と脚と3回銃で撃たれた」

第15号収容所(ヨドク収容所)を撮った最近の画像では、最後にアムネスティが
衛星画像を解析した2011年以来、39棟の居住棟が取り壊されたことがわかった。
その後建てられた新しい居住棟は6棟だけである。居住棟の減少は収容所の人口
がやや減った可能性を示唆している。しかしアムネスティには囚人人口や被拘束
者の運命を検証する手立てがない。

ヨドク収容所の面積は37平方キロメートルに及び、首都平壌から約120キロと同
国中心部に位置する。2011年には推定5万人がこの収容所に収監されていた。人
口は渓谷部に集中している。

16号と同様、ヨドク収容所でも警備は厳しく、また相当の経済活動が見られる。
たとえば森林の伐採や、家具工場とみられる場所での原木の加工がはっきりと見
てとれる。

 以下のサイトから報告書にアプローチできます。   
http://www.amnesty.or.jp/library/pdf/dprk_report2014.pdf

 以下のサイトから強制収容所の閉鎖を求める金正恩第一書記へのハガキを
 ダウンロードできます。
http://www.amnesty.or.jp/get-involved/postcard/dprk_action.html


アムネスティ発表国際ニュース 2013年10月30日

サウジアラビア: 政府は女性に運転する権利を与えるべき

サウジアラビア当局は、運転禁止に抗議するために
女性たちが10月26日に計画していた車の一斉運転を
尊重するべきであった。

この運転キャンペーンは、政府に対し運転禁止を解
く命令を出すよう要請するものであった。女性たち
はキャンペーンの一環として、一斉運転以前から
、 車を運転しその様子を撮影した映像をYouTube
に投稿してきた。これまでに、少なくとも35人の女性
が参加している。

その一人、エマン・アル・ナフジャンさんは10月10日、リヤドで別の女性が車を
運転する様子を撮影しているときに警察に拘束され、二度と「罪」を犯さないと
いう誓約書に署名をさせられた.

内務省は10月23日、このキャンペーンを推し進めるなら、当局は「しっかりと力
で対処する」と警告した。

運転禁止は女性に対する屈辱的な差別で、直ちに排除するべきである。当局がこ
のキャンペーンを企画した活動家たちを妨害してきたことは、まったく受けいれ
られない。当局は女性たちの抗議活動を押さえつけるのではなく、車を運転した
だけで女性が逮捕されたり罰せられたりすることがないよう、直ちに運転禁止を
解除するべきだ。

キャンペーンに参加している女性活動家の1人は、アムネスティ・インターナ
ショナルに次のように話した。
「これは私たちにとって当然の権利です。最も基本的な権利であり、私たちの活
動の自由につながる。(運転する権利は)女性に自信を与え、自分の人生を自分
でコントロールする力をもたらすのです」

現在、サウジアラビアの女性は移動という単純な行動を、日々、男性に頼らざる
をえない。運転禁止令を解くことで、女性が仕事場や大学まで車で行くことがで
き、母親たちは子供たちを学校へ連れて行くことができるようになる。

サウジアラビアは女性の車の運転を認めない、世界で唯一の国である。21世紀だ
というのに、女性が合法的に運転する権利を否定し続けることには驚くばかり
だ。女性の運転を禁止する法律はないが、1990年の省令により慣習的に続いてき
た禁止が正式なものとなっている。その結果、運転すれば女性は逮捕されてしまう。

そして運転禁止は、サウジアラビアの女性が与えられていない基本的な権利の一
つにすぎない。近年、限定的ではあるが、前進はなくもなかった。それでもいま
だに、女性は法律とその執行面で厳しい差別に直面し続け、家庭内暴力や、ほか
の性差別に基づく暴力から十分には保護されていない状況にいる。結婚と離婚に
関する差別的規則により、暴力的で虐待的な関係から逃れられない女性たちもいる。

サウジアラビアに普及している後見人制度により、結婚、ほとんどの国外旅行、
特定の種類の手術、就業、高等教育の受講などの際には、男性の保護者の許可が
必要とされている。

2013年8月に、家庭内暴力を違法とする法律が初めてサウジアラビアで発布され
た。 だが、自由な活動に対しさまざまな規制がある中、女性がどのように家庭
内暴力を報告していけるのか、まだわからない。

こうした規制がはびこり、社会的な「適職」が限られているため、高等教育を受
けた女性の数が増加しているにもかかわらず、多くの女性にとって仕事を見つけ
ることは難しい。

人権理事会の普遍的定期審査に対して、サウジアラビアのの代表団は、自分たち
の法律は女性を差別していないと繰り返し主張した。その主張をした同じ週にこ
のキャンペーンがあった。

「わが国の制度には、男性と女性の区別はありません」―代表団のメンバーで
、 国王の諮問機関シューラ評議会の人権委員会のメンバーでもある女性委員の言葉
である。



アムネスティ日本 要請文 2013年10月23日

  安倍晋三内閣総理大臣に、原発事故対応における
      人権専門部門の設置を求める


 福島第一原子力発電所事故の復興政策において、被害
 に遭っている人びと、とりわけ女性や障がい者などを
 政策決定に参加させるとともに、政府部内に横断的に
 人権を担当する専門部署を設置し事故対応にあたるこ
 とを求めた署名は、1,463筆(うち海外分は125筆)
 にのぼりました。

 別途、署名期間中に、インターネットによる同一内容
 の要請も行われました。海外からの要請には、直接に
 首相官邸に送付されて、今回の数に含まれていないもの
                     もあります。

 2013年10月23日、アムネスティ・インターナショナル日本からの要請文
 (以下)を添えて、安倍晋三内閣総理大臣に、東京事務所に集約された
 皆さまからの署名すべてを送付いたしました。

 *海外からの署名には、ドイツ・アムネスティ・ベルリン事務所、
 米国アムネスティ・ニューヨーク事務所、オーストラリア、韓国、台湾、
 ペルー、ベネズエラ、ベラルーシ、ウルグアイ、南アフリカ、セネガル、
 デンマーク、フィンランド、ノールウェイ、スイス他多数の国ぐにから
 のものが含まれています。




内閣総理大臣 安倍晋三様

東日本大震災復興政策への尽力に敬意を表します。

しかしながら、我が国が批准し、その遵守を国際的に約束している
「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(以下、社会権規約)
等に明記されている基本的人権の保障が、福島第一原子力発電所事故の
復興政策において十分になされていないことをアムネスティ・インター
ナショナル日本は憂慮し、以下の4点を実行されることを日本国内外から
の署名用紙を添付し、日本政府に要請いたします。

1.2013年の社会権規約委員会による日本政府への総括所見で述べられた
  原子力施設の安全性に関する透明性の確保と関係住民への正確な情報
  提供を確実に実行すること。

2.2012年来日の国連人権理事会・健康への権利に関する特別報告者に
  よって政府が要請された「被害にあった人びと、特に社会的弱者を
  全ての政策決定プロセスに十分に参加させること」を確実に実行すること。

3.2012年国連人権理事会の普遍的定期審査における勧告「福島の放射線
  による影響のある地域の住民の健康と生存への権利の保障」を実行する
  こと。

4.以上を含めて、国際人権法において日本政府が保障を求められている
  被災者の権利を確実に保障するために、政府部内、望ましくは復興庁内
  に人権を担当する専門部署を設置すること。

  以上

   2013年10月23日
              公益社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本

                  事務局長 若林 秀樹


アムネスティ・レポート2013
  世界同時発表
2013年5月23日

命や暮らしを守るのに、国境は関係ない


5月23日、アムネスティ・インターナショナルは世界各国の人権状況を網羅した
『アムネスティ・レポート2013』(英語)を公開しました。

2012年、紛争や弾圧などで膨大な数の人びとが、安全を求めて国の内外へ避難する
ことを余儀なくされました。しかし、世界中の政府は、国民や、保護やチャンスを
求めてやってきた人びとの権利を保護することよりも、国境を守ることを優先させ、
難民や移民にとって、世界はますます危険な場所となっています。
本報告書は、こうした2012年の人権状況を国別にまとめています。

※日本でもお買い求めいただけます。
お問い合わせは、東京事務所 TEL:03-3518-6777 FAX:03-3518-6778まで

アムネスティ発表国際ニュース 2013年4月2日

国連: 武器条約採択ー条約の中心に人権を据えるー


本日、国連加盟国は圧倒的賛成多数で武器貿易条約を採択した。この条約は、集 団虐殺、人道に対する罪、あるいは戦争犯罪などを遂行または助長に武 器が使 用されることがわかっている国に通常兵器を移転することを禁止している。

国連総会では、154カ国が条約に賛成票を投じた。数日前までは、人権侵害国家
で、武器禁輸などの国連制裁下にあるイラン、朝鮮民主主義人民共和 国、シリ
アが、採択を阻止しよう動いていた。採決ではこの3カ国が反対し、23カ国が棄
権した。

世界は長らくこの歴史的な瞬間を待ち望んできた。長年にわたる活動が実り、ほ
とんどの国が人権侵害に使用する国への武器の流入を阻止するこの条約 に、賛
成した。

3カ国が反対にもかかわらず、大多数の国々が人権擁護を核に据えた人命重視の
条約を支持したのだ。

条約はまた、国際人道法および人権法の重大な違反を犯す、あるいは助長するこ
とに武器が使用される危険性がある国に兵器、弾薬、構成部品を移転す るリス
ク評価を、すべての政府に義務づけている。各国は、その危険性が現実にある場
合、武器の移転を行わないことに合意した。

巨大な武器メーカーや輸出業者が駆使してきた絶大な経済的影響力、政治力を考
えると、採択された条約は、人びとの命を救い、人びとの苦悩を軽減す る考え
方を訴えてきたNGOとその主張に耳を傾けた国々への贈り物だ。

今後4年間で、通常兵器や弾薬、構成部品の年間取引高は、1000億ドル(約9.4兆
円)を超える。しかし、4月2日、国々は人間とその安全を優 先に置いた。

1990年代以来、アムネスティの運動は、人権侵害を助長する武器の移転を阻止す
るため、国際的な武器取引を法的に厳しく規制するルールの制定を 目指してき
たNGOやノーベル平和賞受賞者の力となってきた。

国連総会は2006年12月、通常兵器の国際的な取引を規制するために、条約の実現
可能性、規制対象範囲、構成要素に関する協議を始めることに合 意した。それ
以来、6年以上にわたる議論を経て、条約は採択された。

記録的な数の国々が国連事務総長に応え、ほぼすべての加盟国が積極的に協議に
関わってきた。そして、人権と人道法が、条約のあらゆる要件の最上位 に据え
られた。

条約が規制の対象としていのは、主に小型武器や軽兵器を含めた通常兵器−−小
規模の紛争地、武器による暴力、多数の市民が怪我などを受ける国々に 拡散し
ている武器である。

あらゆる交渉において、アムネスティをはじめとするNGOの要望がすべて通った
わけではない。たとえば、弾薬の規制は、全部の条項に十分に盛り込 まれたと
はいい難い。しかし、条約は改正が可能だし、強力な条項も入っている。戦時
、 平時を問わず、人権侵害を犯す可能性がある者の手に武器が渡 ることを阻止す
る国際的な体制を構築する基盤ができた。

秩序あるより良い世界にむけた優れたアイデアを市民が持つとき、市民はそれを
実現し、世界的な規模で変化を起こすことができると示したのだ。

2013年6月3日、この武器貿易条約は国連総会で署名と批准が始まり、50カ国の批
准を経てまもなく発効する。


http://www.amnesty.or.jp/campaign/

アムネスティ発表国際ニュース 2013年3月15日

朝鮮民主主義人民共和国:
    衛星画像が示す収容所と居住地とのあいまいな境界


最近の衛星画像で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政府は、政治囚収容所と
その周囲の居住地との境界をあいまいにしていることがわかった。アム ネス
ティ・インターナショナルは、人道に対する罪など同国での重大で組織的な人権
侵害を独自に調査する委員会の設置を国連加盟国に繰り返し要求し てきた。

アムネスティ米国支部は、平安南道のケチョンにある第14収容所の隣接地に、新
たに政治囚収容所、いわゆる管理所を建設している可能性があるとい う情報を
入手した。そこで、その地域の衛星画像の分析を画像分析会社デジタルグローブ
に依頼した。

分析の結果、2006年から2013年2月の間、同国は平壌から北北東70qにあるチョ
マボン渓谷周辺20qの地帯に、住民、検問所、多数の監視 塔らしき建物の存在
が明らかになった。また、拡大する採掘事業に対応するためらしい労働者用住居
のような建物が建設中であることもわかった。

この動きは、第14収容所に隣接した地域住民の移動の管理を強化していることを
示す。このようにして、地域住民と政治囚収容所の人びととの区別を あいまい
にしているのである。周辺の住民には、現在の状況および峡谷と住民に対する国
の今後の施策に対して不安が持ち上がっている。

アムネスティは、収容所の新設や拡張は予測していた。今回分かったことは、あ
る意味でもっと気がかりである。第14収容所の本来の境界らしき線の 外側に、
検問所と監視塔を設けることは、政治囚収容所の人びとと近隣の一般市民とを混
在させてしまう。
政治囚収容所には、子どもを含め何十万の人びとが拘束されている。そこで彼ら
は、労働を強要され、懲罰として食料を奪われ、拷問など残酷で非人間 的な扱
いを受けるなどの人権侵害を受けている。多くの被収容者は、何ら罪を犯してお
らず、政権に対してよく思っていない人びとと関わっただけである。

第14収容所周辺の警備と管理の強化は、移動の自由を日常的に抑圧・制限してい
る同国では、不思議なことではない。最新の画像は、金正恩(キム・ ジョンウ
ン)総書記の下で続く重大で組織的な人権侵害を調査するために、しっかりした
独自の調査委員会の設置が、いかに必要かということを示している。

アムネスティは、同国に対して、人権監視員が第14収容所とチョマボン渓谷に自
由に立ち入りができるようにすること、またヨドク第15収容所やケ チョン第14
収容所の存在を公式に認めるよう要求している。

2011年、アムネスティは、5万人の男女や子どもたちが収容されているという悪
評高いヨドク政治囚収容所がさらに拡張されていることを示す衛星 画像の分析
を発表した。ヨドクの元被収容者によると、囚人たちは奴隷のような状況で労働
を強いられ、しばしば拷問や虐待を受けている。この動かし がたい証言にもか
かわらず、政府は収容所の存在を否定し続けている。

アムネスティは、国連人権理事会の第22会期の参加国に対して、国連が「特異な
国」とする同国での劣悪な環境と人権状況全般を、政治囚収容所だけ でなくそ
れ以外の面でも、独自に調査する委員会の設置決議を採択するよう再度要請する。


 TOP   かまくら通信   English   イベント情報   これまでの活動   特集記事   Q&A   世界人権宣言   お問い合わせ   リンク 
Copyright Amnesty International Japan Kamakura Group All Rights Reserved.